「TrueType」と「OpenType」の違いは?
「TrueType」や「OpenType」とは、フォントのファイルフォーマット(ファイル形式)のこと。
TrueTypeの方が歴史が長いため、先に一般に普及したが、近年は より高度な機能が盛り込めるOpenTypeへの移行がすすんでいる。
同一フォントで「TrueType」と「OpenType」の両方が提供されている場合、基本的には「OpenType」を選択した方がベター。
- MicrsoftとAppleが開発した
- 古くからあるフォーマットなので 一般に多く普及しており 対応製品が多い
- 収録できる文字数がOpenTypeよりも少ない
- Widows/MAC 両方にインストールできるが、互換性はなく、同一の表示ができない
- MAC環境では「出力時に解像度に制限がある」「アプリが非対応」などの理由により、敬遠される傾向にある
- MicrsoftとAdobeが開発した
- Widows/MAC で同一の表示ができる
- 最大約65,000文字が登録可能
- TrueTypeよりも高度な機能(異体字の切り替え、仮想ボディの定義など)をフォントファイルに含めることができる
Q:TrueTypeフォントとOpenTypeフォントの違いを教えて下さい【DynaFont】
OpenTypeフォントとは?【モリサワ】
True Typeフォントとは?【モリサワ】
「Std・Pro・Pr5・Pr6」の意味は?
フォント名の後ろについている「Std・Pro・Pr5・Pr6」などの英数字は、そのフォントに収録されている文字数を表しています。
同一フォントで比較した場合、文字の収録数は「Std < Pro < Pr5 < Pr6」の順で多くなります。
フォントメーカーは、あるフォントに収録する文字の種類(どの文字をどれだけ収録するか)を、Adobe社が策定している「Adobe-Japan1(A-J1)」というルールに従って決めています。
この「Adobe-Japan1(A-J1)」は、1993年の発表以降、数年に一度、改定が行われ、その都度 収録すべき文字が追加されてきました。
「Std・Pro・Pr5・Pr6」というのは、そのフォントが「Adobe-Japan1(A-J1)」の どのバージョンに準拠しているかを示す、メーカー側の表記です。
例えば、モリサワのOpenTypeフォントの場合、以下のような対応関係になります。
- Std:A-J1-3に準拠(9,354文字)
- Pro:A-J1-4に準拠(15,444文字)
- Pr5:A-J1-5に準拠(20,317文字)
- Pr6/Pr6N:A-J1-6 &A-J1-7に準拠(23,060文字)
「Adobe-Japan1(A-J1)」は、古いバージョンに新しい文字を付け加える形で更新されてきました。
このため、基本的に 新しいバージョンには過去収録された文字がそのまま引き継がれています。
このため、どれか迷ったら「収録数の多いものをひとつ」インストールしておけば問題ありません。
Adobe-Japan1【Wikipedia】
Adobe-Japan1 [略称:A-J1]【モリサワ】
「Nつき」と「Nなし」の違いは?
また、同じ書体であっても、お尻に「N」がつくものと、つかないものがあります(ProとProNなど)。
これらは、一部の字形が異なる漢字(168文字)について、どの形を収録しているかの違いになります。
- Nなし:「JIS90」規格を元にした字形。一部の漢字が「略字」風になっている
- Nあり:「JIS2004」規格を元にした形。一部の漢字が「正字(旧字体)」になっている
以下は「Nあり」と「Nなし」で字の形がかわってしまう文字の例です(ロダン Proと、ロダンPro N)。
- 新規にデータを作成する場合は、基本的に「Nあり」フォントを使用する
- 外部から「Nなし」で作成されたデータを受け取ったときは、Nなしフォントを入れて開く(Nありで開くと文字が変わってしまうので注意)
- 人名などで表記に指定がある場合は フレキシブルに対応する
・“N”の有無について:Fontworks
・Nフォント:モリサワ
・ProNとかStdNのNとは?:fopntnavi
・末尾にNがつくフォントは何ですか?:Too
・Std、Pro、Pr6、Nってなに?:ヒラギノフォントnote
・Adobe-Japan 1-6フォントのJIS90年版とJIS2004年版の字形差