「コメントフォロー(しゃべりテロップ)」の役割と作成時に気を付けたい4つのポイント!

コメントフォロー

「コメントフォロー」とは?

「コメントフォロー」とは 映像内の出演者が話す言葉を文字起こしし、そのまま、あるいは多少の改変を加えて表示させるテロップのことです。

ただし 洋画字幕のようなケースはコメントフォローとは呼ばず、単に「字幕」と呼ぶ場合が一般的です。

「コメントフォロー」他の呼び方

「しゃべりテロップ」「フォローテロップ」「なぞりテロップ」「字幕」「字幕スーパー」など

「コメントフォロー」の多用は東アジア圏の特徴

「コメントフォロー」は、バラエティ番組などのエンタメ系動画をはじめ、解説系や、ニュース/ドキュメンタリー系のインタビュー動画など 様々なジャンルで利用されます。

現在 日本の動画で もっとも目にする機会が多い種類のテロップといえるでしょう。

コメントフォローが多用されるのは、日本・韓国・台湾・中国など東アジア圏の動画の特徴と言われます。それ以外の国の映像では、コメントフォローは控えめな形で用いられるケースが一般的です。

「コメントフォロー」の役割

「コメントフォロー」は、元々は 録音状態が悪く聞き取りづらいセリフを補足する目的で使用されていました。

しかし 現在では、動画を盛り上げるための演出的な使用も一般的になっています。

「強調・補足・説明」
  1. 強調:出演者の言葉を より面白く強調したい場合
  2. 補足:出演者の言葉の意味が、視聴者に分かりづらいと判断した場合
  3. 説明:音声を消して聞いていても ある程度 話の流れが分かるようにポイントとなる言葉を文字化する
「言葉」の選択にセンス!

出演者の会話の どの言葉を文字化するかの判断は人それぞれで、そこに制作者の個性があらわれます。

特に エンタメ系動画の場合、コメントフォローのテロップには「今 この人、面白いこと言ったけど、みなさん それに気づかないかも知れないから 強調してみました」という意味合いがあります。

どの言葉をテロップ化するか/しないか、動画編集者にセンスが要求されます。

動画の「テンポ」にも加担する

また、エンタメ系動画で、効果音と一緒に表示されるようなタイプのコメントフォローの場合、面白さの強調という意味合いのほかに、動画のテンポを作り出す効果もあります。

「フルテロップ」はユーザー補助

また最近では「フルテロップ」といって、全ての言葉(会話)を文字起こしするケースも増えてきました。こちらは 音声を消した場合でも動画の内容が分かるようにする目的が主で、ユーザー補助的な側面があります。

「コメントフォロー」作成のポイント

1. 会話時は「色」と「位置」で区別する

近接:悪い例

上図は悪い例です。「女性の言葉:ほんと?」と「男性の言葉:美味そう!」の色に注目してください。女性の「服の色」と、男性の「テロップの色」が一緒のため どちらがしゃべっているのか一瞬 迷いませんか?

これは「ストループ効果」と呼ばれるもので、「赤い文字」で「青」と表示するなど 人間の認識と事実が異なる場合の心理的認知の障害のひとつです。

修正したのがこちら。

近接:良い例

テロップの色を、それぞれの服の色に合わせ、また、身長に合わせて位置も調整しました。違和感なく文字が読め、また下画にも集中できます。

2. 下画の「見たいポイント」を隠さない

見たいポイント

上図の場合、視聴者が見たいポイントは「調理している手元」です。また、人間は本能的に「他人の目を見てしまう」習性があります(シミュラクラ現象)。

このため テロップが、「調理している手元」や「出演者の顔」に被ってしまうと 視聴者はストレスを感じます。

下画を隠さない

コメントフォローに限った話ではありませんが、テロップは 下画の「見たいポイント」にかからないように配置するのが鉄則です。

3. 情報を整理して表示する!

コメントフォローは、必ずしもキャストのセリフをそのまま表示させる必要はありません。

特に、説明・解説系の動画では、大筋の意味が変わらない範囲で 言葉を編集してあげた方が、視聴者の理解を助ける場合があります。

  • 【本来の言葉】私のチャンネルは、えー、2020年の時点で、もうすでに2万人を超えていましたね、 延べ人数でいえば。
  • 【情報を整理】私のチャンネルは 2020年の時点で(登録者が)延べ2万人を超えていましたね

4. 音よりもテロップを「やや先行させる」

バラエティ・エンタメ系動画など、音声と文字を同期させながらテンポよく見せたい場面では、コメントフォローのテロップを、音よりも 少し先行させてあげるといい感じになります。

本来であれば、音声の聞こえ始め(波形の頭)に、テロップを合わせれば良いように思いますが、こうすると、視聴者側には「テロップがやや遅く」感じられる傾向にあります(理由はこちら)。

「1~4F」程度を目安に 動画に応じて微調整する

テロップを先行させる度合いについて、一律の正解はありません。

私の場合は、話し手の間合いや、文言(口の開きと音の聞こえ方)、動画全体のテンポに応じて「1~4F」くらいの幅で その都度 調整を行っています。 経験上、機械的に「波形の〇F前」と固定しても、あまりうまくいきません。

また、テロップがカットインするのか、エフェクトを伴うのかによっても タイミングは変わりますので、その都度「よいタイミング」を考える必要があります。

MEMO

インタビュー映像などのように落ち着いたテンポで進行する動画の場合は、必ずしもテロップを先行させる必要はありません。また「説明テロップ」のように、音声と文言が一致しないケースでは、テロップを音声より先行させると違和感に繋がるため注意が必要です。

関連記事テロップの出し方に関しては、こちらの記事に詳しくまとめています。

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