「テロップ」の見栄えに悩む方は多いと思いますが、デザインや配色を試行錯誤する前に、種類とその効果をしっかり理解しておくことが大事です。
例えば、バラエティ系の動画を作るのであれば、「会話テロップ・ツッコみテロップ・煽りテロップ」の違いを理解し、デザインを区別するだけでも かなり印象が変わります。
この記事では、YouTubeなどのSNSメディアで作品発表する方を対象として、主に「バラエティ」系の動画で一般的に挿入されるテロップと その役割をザックリとまとめてみました。
動画に「区切りを入れる」もの
「番組(チャンネル)」タイトル
番組(チャンネル)全体のタイトルのことです。テレビでいえば「アメトーーク!」「月曜から夜更かし」、Youtubeでいえば「HikakinTV」といった番組・チャンネルそのものを指す情報です。
その番組・チャンネル全体のイメージを左右する重要な役割を担っています。
「コーナー」タイトル
1回につき30分程度で作成されるテレビ番組の場合、短尺の「Aコーナー」「Bコーナー」「Cコーナー」を組み合わせて構成されるのが一般的です。このため 各コーナーの頭には「コーナータイトル」を入れて流れを切り替えます。
これは、長尺の映像にメリハリをつける(視聴者を飽きさせない)意味合いがあります。
一方、5~10分程度の比較的 短い尺の動画が多いYouTube(バラエティ系)では、1回分の動画が「1コーナー」に相当します。
このため 特別なコーナータイトルは設けないのが一般的です。あえていえば各動画のタイトル「〇〇やってみた!」とか「今回のテーマ:〇〇」などがコーナータイトルに相当するといえます。
ただし、同じYouTube動画でも「情報系」は やや事情が異なります。
例えば「おすすめの動画編集ソフトを紹介します!」という動画で、Premiere・Final Cut Pro・iMovieを紹介する場合。ダラダラ喋り続けるよりは、各アプリごとにコーナータイトルを入れてあげた方が、映像にメリハリがつき 視聴者側に親切です。
視聴者の「理解を助ける」もの
サイドスーパー(サイドテロップ)
画面の4隅に 継続して表示されるテロップを「サイドスーパー(サイドテロップ)」と呼びます。テレビ番組では「左:番組名 / 右:コーナータイトル」といった形で表示されるのが一般的です。
サイドスーパーがテレビで多用されがちな背景には「特定の時刻に 1回だけ」しか再生されない 放送型コンテンツ特有の事情が深くかかわっています。
テレビ番組におけるサイドスーパーの役割は、ザッピングでたまたまチャンネルを合わせたユーザ(つまり動画を途中から見た人)に対して、今見ているのが「どんなテーマの番組の どのコーナーの映像」なのか、理解を助ける役割があるわけです。
一方、「自分のタイミングで、何度でも視聴可能」なYouTube動画などでは、テレビ番組ほどには サイドスーパーは用いられません。
YouTubeの場合、チャンネルロゴはシステム側が自動表示する仕様になっており、タイトルや内容などのメタ情報も動画外で容易に確認できるため、サイドスーパーの使用はそれほど多くありません。
YouTube動画の場合、スマホなど小さな画面で閲覧されるケースが多いため、小さい文字が読みづいというのも、敬遠される原因の一つのようです。
ただ、こちらも例えば「無印良品のおすすめグッズ BEST5!」のような情報・解説系 動画であれば、「5位:ボールペン」の紹介箇所では、ショルダー部分にテロップ表示を入れてあげると、視聴者に対して親切です。
「名前」テロップ
人名・企業名・地名など、なにかの名称を表示する際に用いるのが名前テロップです。
後述の「しゃべり(会話)」テロップなどとはデザインを区別し、テロップベース(座布団)などを併用することで、印象が強まります。
「解説・説明」テロップ
元映像内の情報だけでは伝わりづらい事柄を、文字やイラストなどを用いて解説・説明するテロップです。
アンダー部分に数行で表示される場合や、画面全体で構成される場合があります。
「進行」テロップ
動画を進行する目的で、演出側が差し込むテロップです。場面転換を補うような補足的な役割になります(例:そして1週間後… など)。
視聴者の「興味を煽る」もの
コメントフォロー
出演者が映像内で喋った言葉をそのまま文字にしたものです。動画内で生じた擬音の文字化も(叩かれてパン!など)もコチラになります。
「しゃべり(会話)」テロップは、元々は、録音状態が悪く聞き取りづらいセリフを補足する目的で使用されていましたが、最近は、以下のようなケースで使用されます。
- 強調:出演者の言葉を、より面白く強調したい場合
- 補足:出演者の言葉の意味が、視聴者に分かりづらいと判断した場合
- 説明:音声を消して聞いていても ある程度 話の流れが分かるようにポイントとなる言葉を文字化する
「どの言葉を文字化するか」の判断は人それぞれで、そこに制作者のセンスや個性があらわれます。
Youtubeでは「フルテロップ」といって、全ての「しゃべり(会話)」テロップを文字起こしするケースもあります。
「つっこみ」テロップ
出演者の行動に対して、(動画には登場しない)演出側がツッコむ・茶々を入れる役割を持ったテロップです。
バラエティ系動画でよく見られます。出演者の言動だけでは伝わりづらい面白さを、演出側が強調する意味合いがあります。 短い文章で作成する必要があるため、非常にセンスが要求されます。
「煽り」テロップ
視聴者が続きを見たくなるように気分を煽るタイプのテロップです。テレビ番組の場合、OPのダイジェスト部分や、CM入りの直前、ラスト(次週は○○!)などに入るのが一般的です。
YouTubeの場合は、OPダイジェスト部分で使用することで、視聴者の離脱を防ぐ効果が期待できます。
そのほか
テレビでは一般的に 番組の終わりに、撮影に関わったスタッフ・キャスト・ナレーターなどの情報が表示されます。
YouTubeでは、そもそもこうした情報を表示しないケースが一般的です。また、行う場合でも、各動画のテキスト欄で表示可能なため動画内に差し込むケースはあまりありません。
YouTube特有の画面です。
こちらもYouTube特有のもので、テロップとは異なりますが、一応紹介。サムネールの出来が、チャンネル訪問者数を左右するため、大事な部分です。
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